ニュース

2025年の必聴作:国内メタル&ハードロック・アルバム評

2026年05月16日 編集部: yamamoto adachi

アルバムを「通して聴く」という行為が稀少になったストリーミング時代において、ハードロック/メタルのアルバム文化はどのように継承されているのか。本稿では、本誌編集部が2025年に発表された国内作品から選んだ10作を、簡潔な評と共に紹介する。順不同。

選出にあたって

選出基準は三点。第一に、ハードロックまたはメタルのジャンル領域に明確に属すること。第二に、楽曲単位ではなくアルバム単位での構築意識が認められること。第三に、海外作品の単なる翻案ではなく、日本のシーンが置かれた状況への応答が読み取れること。これらを満たす作品は、ストリーミング時代における「アルバム」という形式の擁護でもある。

編集部が注目した10作

誌面の都合上、各作品の詳細な評は本誌の個別レビュー記事に譲るが、以下の作品群はいずれも「2025年の日本のメタル/ハードロック」という時代を凝縮した一枚として推薦できる。多くは初聴で全貌を捉えきれない作品であり、繰り返しの聴取に耐える厚みを備えている点を強調しておきたい。

  • ベテラン勢の到達点を示した重厚なコンセプト作1点
  • 女性主導バンドによる、海外進出を予感させる完成度の高い作品2点
  • 新世代によるオールドスクール再解釈の意欲作2点
  • プログレッシヴ要素を大胆に取り入れた実験作1点
  • ヴィジュアル系の系譜を継ぎつつメタルへ接近した境界線上の1点
  • インディペンデント・レーベル発のダーク/ドゥーム傾向の1点
  • テクニカル志向のインストゥルメンタル作1点
  • ライブ録音を中心に再構成された臨場感重視の1点

アルバム文化の擁護として

サブスクリプション時代において、アルバム単位での音楽体験は確かに後退しつつある。しかし、ハードロック/メタルというジャンルは、その起源からして「長尺の音響的物語」を編む技法に支えられてきた。本誌がこのジャンルにおけるアルバム評を継続的に発表する理由も、そこにある。リスナーには、プレイリストの利便性と並行して、一枚を腰を据えて通し聴きする経験を取り戻してほしいと願う。

上部へスクロール